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【企業徹底研究】vol.68 【更新日:2012.02.17】

コダック経営破たんは他人事ではない――「3大フィルムメーカー」のいま

  
  
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 アメリカの写真用品大手、イーストマン・コダックが、2012年1月に経営破たんした。世界で初めてカラーフィルムやデジタルカメラを開発した伝統ある名門企業も、経営環境の変化に対応しきれなかったようだ。

 カラーフィルムの世界需要のピークは2000年。それが10年あまりで、一気に10分の1にまで縮小してしまった。コダックの破たんもやむなしと思えるが、一方でライバルの富士フイルムは、デジタルカメラなどの分野で存在感を保持している。そこには経営力の違いもあったのだろう。

カラーフィルムの世界需要推移



 実際、キャリコネに登録された口コミを見てみると、コダックの日本法人(米破産法申請の対象外)の広報部門で働いていた20代後半の男性は、富士フイルムに対して、次のような感想を持っている。

「日本で独占的なマーケットを持っている企業であり、技術力もあり、イメージもよく、世界的にもシェアを伸ばしている。技術の高さと、コマーシャルなどのマーケティング力に優れていた」

富士フイルム 「10年後に世の中に残っているかどうか」

 確かに富士フイルムは、経営環境の変化に大胆に対応し、“脱・写真フィルム”と“多角化”に成功したと高い評価を受けている。しかし、キャリコネに寄せられた口コミを見ると、社員たちの評価は意外にも厳しい。

 例えば、マーケティング部門に勤めていた20代後半の男性は

「仕事に安定を求める人や大企業に勤めることで自尊心が満たせる人にとってはいいかもしれないが、自己の成長を求めたい人にとっては、少々厳しい職場かもしれない」

 と嘆いており、「一般的なメーカーと比べて新商品の発売が少ないため、変化がなくマンネリ気味な仕事に嫌気が差す」と話している。競合からマーケティング力を評価された会社とは思えない実態だ。

 また、経営企画部門に勤務していた20代前半の女性は

「とにかく経営計画が数字ありきで、具体的な戦略が不十分である。数値目標はトップダウンで策定されるものの、実態がついてきていない。なんとか気合いで乗り切ろう!という雰囲気」

 と、経営の舵取りに苦言を呈している。
 さらに、企業の将来を担う研究開発部門に勤める30代後半の男性も

「いくつか芽が出てきている新規事業はあるものの、将来会社を支えていけるだけの利益を出せるようなスケールを感じさせる事業は1つもない。本当に10年後にこの会社が世の中に残っているのかどうか、とても不安でしょうがない」

 と、会社に将来に頭を抱えている。こんな気持ちを抱くようでは次世代を担う事業の研究など、とても手につかないだろう。

 消費者の視点からは、化粧品など新分野の展開がうまく行っているように見える富士フイルム。しかし、それは、単なるCMによるイメージアップ効果だけなのかも知れない。

9年前の「経営統合」の軋轢を引きずるコニカミノルタ

 一方、コダック、富士フイルムとともに、3大フィルムメーカーの一角を占めていたコニカは、2003年にミノルタと経営統合し、現在はコニカミノルタホールディングスと名称を変えている。フィルムなどの写真事業からは、2007年度末にすでに撤退済みだ。

 コダックのような経営破たんを免れ、順調に生き残っているように見える。しかし、キャリコネに寄せられた社員の声を見てみると、2つの会社が一緒になったことで弊害が生まれ、社内では相当な苦労があるようだ。

 40代の男性社員は、経営統合で社員間に強い軋轢が生じていると訴えている。

「統合前の所属会社(コニカ、ミノルタ)によってまだ異なる待遇を受けており、もともと不遇な待遇を受けていたミノルタの社員が手厚い待遇を受けるようになったのに対して、コニカの社員は給与も福利厚生もかなり悪化してきている」

 この口コミは、おそらくストレスを溜めている元コニカ社員によるものだろう。一方で、統合から9年近くが経ち、2社の融合が進んでいてもおかしくはないはずなのに、いまだに「コニカ」という古巣のプライドを引きずっていることには驚かされる。

 元ミノルタ社員と思われる人の書き込みもある。

「合併後コニカ色が非常に強くなり、ミノルタ側出身者は辛い立場に立たされている人が多い。『ミノルタ出身者は仕事ができない』的な一般論がある」

 と言うのは、人事部門で働いていた30代前半の女性だ。この女性はコニカ出身の社員がミノルタ出身の社員に接する態度について疑問を投げかけている。

 昔から「諸行無常」と言われるが、「どんな業界であっても永久に安心して働ける会社など存在せず、変化する環境に対応するのは楽ではない」ということをフィルムメーカー3社を見ると、あらためて感じさせられる。

(記事:Bizトピックス編集部 → 編集記者募集中

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